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冷却水(冷却水量約5700kg/h)を共有することも可能となるが、試作システムでは水温10℃の冷却水供給能力が500?/h〜1000kg/hと少なく管内冷却水の流速が遅くなるため、伝熱管内部に内筒を設け冷却水側熱伝達率の向上を図る。
管内の冷却水熱伝達率はこれまでの文献による推算式により求めることが可能で、実機システムにおける冷却水量に応し伝熱管寸法、内部構造を変更することができる。すなわち、排ガスの凝縮熱伝達特性を明らかにすることにより排ガス凝縮器の設計が可能となる。
(3)凝縮器の設計仕様
前述の通り排ガス凝縮器は水蒸気凝縮器(H2O凝縮器)ならびに炭酸ガス凝縮器(CO2凝縮器)の2基で構成されており、交換熱量は各々10.56kw,0.74kwである。また、本試作システムでは凝縮器最大排ガス量に対応できるよう最大流量36.2?/h、最高温度280℃を用いて凝縮器の設計を行った。
H2O凝縮器及びCO2凝縮器の基本仕様を表3.3-2、表3.3-3、各凝縮器の外形を図3.3-5、図3.3-6、また、排ガス凝縮器のフローを、図3.3-7に示す。凝縮器は省スペースのため堅型を、高圧のため多管式熱交換器を基本として選定しており、以下に述べる凝縮器の検討に基づき設計した。
(4)凝縮器の設計・検討
凝縮器は排ガスの凝縮熱伝達率を精度よく見積、試作システムにおいてその評価を適切に行えるように設計・試作することが重要となる。そこで、本凝縮器設計に用いた凝縮熱伝達率推算式を以下に示す。
(H2O凝縮部熱伝達率)
不凝縮ガスを含む水蒸気の熱伝達特性に関する推算式として、SchraderMeisenburgらの実験式が用いられているものの、不凝縮の割合が40%以下と少なく、以下に示す藤井らの鉛直面上の層流体積対流凝縮熱伝達特性予測式を用いた。(1)

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